廃屋にっぽん周遊Blog

公開21年目にして初の廃墟ブログです。

山中温泉「和叙園」Vol.8(最終)

今更ですが、2021年になりました。1月は更新できませんでした。スミマセン。
今回は「和叙園」の解体の様子をお届けします。
まさに偶然でした。Hakutaka君がたまたま山中の道の駅に立ち寄った時に見かけたのですね。
解体にとりかかったとすると、もう時間の猶予がないので、当時は客先への出張訪問の仕事をしていたので、その合間に素早く立ち寄って撮ってきました。
本来だったら解体作業をしていない時を狙って潜入したかったのですが、残念ながら時間がありませんでした。

2010年11月調査、撮影

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風光明媚な山中温泉鶴仙渓にあります。見えてきました。

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新館の建物が見えてきました。よかった、まだ完全に消滅はしていないようです。

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いよいよご対面です。

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正面入り口周辺は、解体の真っ最中でした。

建物は解体の真っ只中で、内部の什器や設備の大部分はすでに撤去されているようでした。あと少し遅かったら、建物の大部分が無くなっていたでしょう。

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向かって右側の旧館部分はまだ手付かずのようでしたが・・・

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館内はキレイに整理されて、何も無くなっていました。

ホテル和叙園は、廃墟化してから発見されて有名になる前に解体されてしまった悲運(?)の物件でした。もう少し廃墟として存在し続けていたら、他の廃墟愛好家が続々訪れたでしょう。ですが、やはり廃墟であるが故の事故や事件の元になると考えると、やはり消えゆくのが運命でしょうか。
跡地についてはまだ決まっていないようですが、数年くらい確認できていないので、何か新しいものが生まれているかもしれませんね。

山中温泉「和叙園」Vol.7

何とか今年に最後の更新が出来ました。
今回は従業員の寮と思われる建物の内部を公開します。
旅館などで住み込みで働く従業員は、どんな生活をしている(いた)のか?がわかる建物が寮ですね。
白雲楼ホテルの場合は独立した寮はホテルの敷地には存在せず、離れた場所に点々と建てられていました。おそらくホテルが大規模化していく過程で次々と増築されていったのでしょう。それらの建物(全て廃墟で現在はほぼ解体済み)は一か所に集中せず、点々と建てられたのは、単純に山道で広い敷地が確保出来なかっただけと思われます。白雲楼ホテルはこれらの寮のほかにも、ホテルの本館、新館の内部に従業員の生活スペースが設けられていました。一般の宿泊客はもちろん立ち入ることは出来ず、目立たない扉や通路を抜けてアクセスできるユニークなものでした。末期は宿泊客の減少も相まって新館の一番奥に位置する客室の数室が従業員の生活の場として転用されていました。
和叙園ホテルはこうした積み増し方式ではなく、ホテルの宿泊棟とは別に完全に独立した従業員専用棟としてホテルの敷地内に存在していました。おおむね本館、新館を探索し終えて、最後に探索したのがここでしたが、実はあまり写真を撮りませんでした。理由は忘れかけてしまいましたが、単調で面白くなかったのと(寮なので当然ですが)なぜかそれぞれの部屋の扉にはほとんど鍵がかかっていて内部を見ること自体あまり出来なかったということと思われます。それでも一部屋だけ内部を見れたので、それらの写真を合わせて、どうぞ!

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出入り口と思われる扉。コンクリートブロックが投げ込まれて窓ガラスが割られていました。

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廊下その1.流し台らしきものも見えます。

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廊下その2.廊下の写真ばかりなのは、鍵のせいで部屋の中が見れなかったため。

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トイレは共同だったようです。

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中までは入らなかったみたいです。この時、テンション低かったのかな?

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階段。床材がペリペリ剥がれていて異様な状態。

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唯一中を見ることができた部屋。畳の和室ですね。

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ここも例に漏れず侵入者によって障子が破かれていました。

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小さくてレトロな1ドア冷蔵庫。中は大変なことに。

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座卓に置かれたインスタントコーヒーなども、もう十数年も放置状態。怖い。

最後は生々しい映像になってしまいましたが、いよいよ次は和叙園の最終回!解体中という報を聞きつけて急遽雪の中駆け付けた時の様子を公開します!

山中温泉「和叙園」Vol.6

今年最後の更新となるでしょうか?そしてこの物件も大詰めに近づいてきました。今回は従業員専用の部屋などを紹介します。
白雲楼ホテルでも紹介しましたが、ある程度大規模な日本式旅館になると、従業員も住み込みで働くことが多くなるのか(最近の外資系、県外資本のリゾートホテルなどは該当しないですね)、施設内に従業員専用の部屋や従業員が生活する寮などが見られます。この物件もそうした場所があちこちにありました。

楽屋?

最初は楽屋のような部屋。宴会場の舞台脇にあったので、従業員というより、宴会に呼ばれた芸妓や歌手、演芸師が演技の合間に過ごす部屋だったのでしょう。

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休憩所?

簡単な給湯設備がある畳敷きの部屋。正面玄関やロビーに近い売店の脇に位置していたので、休憩するのに絶好なポジションだったでしょう。ただし窓が無いか有っても日当たりが非常に悪い部屋だったせいか、湿気で大変なことになっていました。木でできた柱などの構造物、壁材などは腐って崩壊しており、一面カビだらけで入室を躊躇うには充分な空間でした…。

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崩壊具合が凄まじい。無傷の白いアコーディオンドアだけ目立つ。

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畳の部屋でしたが、カビがすごい。

食堂?

今度は簡単な台所設備を備えた部屋。テーブルがあったので、従業員が食事をする場所だったのでしょう。ここも日当たりが非常に悪かったです。

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場所は失念しました…。

従業員専用浴場

これは初めてのパターンですね。通常は従業員は寮などに住み込みだったとしても入浴は帰宅してから寮の浴室を使うのが普通なので、ホテル内に従業員だけの浴室が備わっているのは極めて稀なケースじゃないでしょうか。それでいて内部は規模こそ小さいものの大きな窓を備えていてなかなか本格的な造りだったので、推測ですが元々は宿泊客向けの浴室だった可能性があります。廃業時点で宿泊客向けの浴場は三の丸(新館)にあり、ここは二の丸(旧館)なので、三の丸が増築されるまでは宿泊客が使っていた可能性がありますね。

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二の丸客殿の端に位置しており、張り紙から宿泊客は利用できなかったものと思われます。

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脱衣場。狭いですがマッサージ椅子もあり、なかなか本格的。従業員向けにここまで必要か?

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浴槽は狭いですが、2,3人は同時に入浴可能。いつからあるかわからない水が残っていて不気味。

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窓は大きいです。草が侵食しなければ明るく快適だったでしょう。

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洗い場も銭湯みたいな造りで複数個所を備えてありました。

次回は従業員寮を紹介します!





 

山中温泉「和叙園」Vol.5

すいません、11月は更新が出来ませんでした…。
とにかく写真をどんどん公開していきます!
駄文はちょっと落ち着いてから再開しますね。

機械室

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機械室の内部。個人的にあまり興味がないのですぐに撤収。

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配電盤。廃墟とはいえ万一のため、決して触れてはいけません。

中庭

中庭とはいっても、宿泊客が過ごす場所ではなく、従業員寮や機械室に通じる空間のようでした。

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ブレてしまったorz ガラスの破片や窓ガラスのゴムパッキンが散乱していました。

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打ち捨てられたテーブル。

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従業員寮への入り口だったと思われる。

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従業員寮。保存状態は意外と良好?

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なぜか屋外シャワー設備?誰のためのものだったのでしょうか?

次回は従業員寮と従業員専用スペースを公開します。

山中温泉「和叙園」Vol.4

温泉旅館「和叙園」も未公開画像の公開を再開します~。
今回は厨房の写真を紹介します。厨房は窓が無く真っ暗。カメラのピントがなかなか合わずピンボケの写真が多いですがご了承ください。

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床に割られた食器は、侵入者の仕業でしょうか?

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大量の小分けにされた調味料。

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旅館でよく見かける大型のジャー。

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次回は機械室と旅館の中庭の様子を紹介します!

ダ〇ヤ〇ンド斑尾ホテルVol.3

どうも、ぶれいく58です。
最近はなかなかブログ更新ができませんでしたが、出来るときには追加していきますのでよろしくです。
僕の留守中には、はくたか99号君にフォローしていただきました。お疲れさまでした。
それでは、かなり間隔があきましたが、ダ〇ヤ〇ンド斑尾ホテルの続きです。
実は最近まで、この物件はネット公開一番乗りと思われていましたが、他の廃墟サイトに先を越されたようです。残念。

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フロントは入ってすぐの右側にありました。

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フロント脇にあった時間割りと料金表。

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1階ロビーは吹き抜けになっていて、窓が大きく明るかったです。

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ロビーの右奥にはコーヒーラウンジがありました。

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大広間。和室と思われますが、畳は剥がされていました。

順序を追って説明するために入り口、フロントから公開しましたが、本来の潜入口は正面玄関ではありません。もっと目立たない場所から素早く潜入。
一階には客室がなく、明るい吹き抜けのロビーとコーヒーラウンジ、大広間などがありましたが、メインの探索を2階客室に絞ったため、あまり多くの写真はありません。本来見どころであるはずの浴場の写真は数枚しかないという有様。ゴメンナサイ。

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ブレブレですみません。大浴場の脱衣場ですね。

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浴場への入り口扉は無残にガラスが割られていました。

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狭いほうの浴場。

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広いほうの浴場。大浴場とは言えない広さですが、窓は大きくて眺めは良さそう。

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ホテルの規模の割には広めのレストラン。配線泥棒の仕業か、天井板があちこち破壊されています。

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一面が大きな窓なので、室内は非常に明るいです。

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部屋の角部分は崩壊が激しく、窓枠が損壊していて窓ガラスが砕けて消えていました。

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どことなく人為的に集められた椅子。

次回は2階の様子を公開します。2階は客室が主となります。

泊まれる廃墟!?昭和へタイムスリップしたような新潟県のドライブイン「公楽園」に泊まってみました Part3(最終)

どうも、助手のはくたか99号です。
先輩から留守を頼まれていたのですが、僕もある理由でしばらく更新作業ができませんでした。ごめんなさいm(_ _)m
それでは前回の続きを公開します!

お目当てのトースト自販機に出会えたのでいつもならばここで撤収なのですが、今回はここの2階で泊まるので、のんびりできます。
前々回で紹介した料金が書かれた看板には、宿泊のほかに休憩料金もありました。俗な見方をすると、ラブホ的な使い方もできそうです。その見方で考えると、休憩一人1200円は激安ですね。しかもノータイムとあります。日付を越えなければずっと1200円で使わせてくれるのでしょうか?近所にあるならば休憩でも利用してみたいですが、新潟県なので無理、残念ですね。しかしカップルで利用するには、フロントが目立つ位置にあるし、駐車場も仕切りが無いので使いにくいですね。

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2階の廊下。壁紙やじゅうたん、客室のドアなどがすべていい味出してます。

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部屋番号は12個ありましたが、忌み数は無く、12号室は従業員部屋だったので、全9部屋のようです。

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今回指定された部屋、6号室は洋間らしいです。

2階は宿泊客のみのエリアです。廊下からしてレトロな雰囲気が満ちています。部屋番号には「和室」「洋間」とあって、2タイプの部屋があるようです。さらに一部屋だけ「特別室」がありました。僕が渡された鍵は「6号室」で、そこだけ部屋番号が点灯していました。予約済みの部屋は点灯する仕組みでしょうか?ほかの部屋は点灯していなかったので、今のところ宿泊客は僕だけのようです。ドアの前に到着。僕の部屋は洋間でした。まあ一人客だったら畳の部屋よりベッドのほうが自然でしょうね。

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6号室(洋間)の寝室。かなり年季の入った内装です。

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小さなテーブルが昭和のデザインですね。

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テレビだけは室内の世代にそぐわない液晶タイプ。これはやむを得ないですが…

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入り口側には小さな冷蔵庫と円い鏡がありました。

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ベッドはホテル仕様ではなく、一般家庭向けのデザイン?

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照明は洋間らしい洋風のもの。これもなかなかなレトロ品。

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バスタオルや浴衣など、最低限の用意はされていました。

いよいよ入室。入ってすぐ下足を脱いでスリッパに履き替え。右側にはトイレのドア、左側には寝室のドアがありました。よくある安宿はトイレや風呂が共同であることが多いですがここは全室がトイレ、風呂付きです。これはありがたいですね。寝室は6畳ほどの広さで、シングルベッド、一人掛けソファ、小さなクローゼット、テレビがありました。一人利用ならば十分な広さで、予想通り内装、備品はかなり年季が入っていましたが、古さを除けば結構快適な部屋でした。チェックイン予定時間にあわせてエアコンを効かせてくれていたので、8月下旬でかなりの残暑でしたが、室内温度はそれほど高くなかったです。エアコンは結構真新しかったので、ここだけは更新されたのでしょう。

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お風呂も昔懐かしいスタイル。窓もあって明るい。

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トイレは普通の洋式。

寝室の奥には浴室のドアがあり、中は浴室と洗面台がありました。浴室はビジネスホテルにあるようなユニットバスではなく、昭和の民家にあったようなポリの浴槽があるもので、これが現役稼働しているのがちょっと感動するくらい。ここで旅の汗を流しました。トイレも独立していて洋式のごく普通な便器で全く支障はありませんでした。

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窓の外は一面の田園風景。ちょうど稲刈り直前で黄金色の稲穂が見えました。

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部屋の鍵。最近はこんなスタイルの鍵も段々見かけなくなりました。

総評
ファンの間で「泊まれる廃墟」を謳い文句にしていた「公楽園」でしたが、たしかに設備や内装、什器は昔ながらのものでしたが、部屋自体はそこそこ快適で宿泊にはなんら支障はありませんでした。これで素泊まり2900円は妥当でしょう。また新潟へ旅行の際には利用したいです。特別室がかなり気になりますね。しかし僕的に最大の難点は、鉄道駅からはかなり離れているので、鉄道旅行だったら利用しづらいところですね。
おわり