廃屋にっぽん周遊Blog

公開21年目にして初の廃墟ブログです。

山中温泉「和叙園」Vol.6

今年最後の更新となるでしょうか?そしてこの物件も大詰めに近づいてきました。今回は従業員専用の部屋などを紹介します。
白雲楼ホテルでも紹介しましたが、ある程度大規模な日本式旅館になると、従業員も住み込みで働くことが多くなるのか(最近の外資系、県外資本のリゾートホテルなどは該当しないですね)、施設内に従業員専用の部屋や従業員が生活する寮などが見られます。この物件もそうした場所があちこちにありました。

楽屋?

最初は楽屋のような部屋。宴会場の舞台脇にあったので、従業員というより、宴会に呼ばれた芸妓や歌手、演芸師が演技の合間に過ごす部屋だったのでしょう。

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休憩所?

簡単な給湯設備がある畳敷きの部屋。正面玄関やロビーに近い売店の脇に位置していたので、休憩するのに絶好なポジションだったでしょう。ただし窓が無いか有っても日当たりが非常に悪い部屋だったせいか、湿気で大変なことになっていました。木でできた柱などの構造物、壁材などは腐って崩壊しており、一面カビだらけで入室を躊躇うには充分な空間でした…。

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崩壊具合が凄まじい。無傷の白いアコーディオンドアだけ目立つ。

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畳の部屋でしたが、カビがすごい。

食堂?

今度は簡単な台所設備を備えた部屋。テーブルがあったので、従業員が食事をする場所だったのでしょう。ここも日当たりが非常に悪かったです。

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場所は失念しました…。

従業員専用浴場

これは初めてのパターンですね。通常は従業員は寮などに住み込みだったとしても入浴は帰宅してから寮の浴室を使うのが普通なので、ホテル内に従業員だけの浴室が備わっているのは極めて稀なケースじゃないでしょうか。それでいて内部は規模こそ小さいものの大きな窓を備えていてなかなか本格的な造りだったので、推測ですが元々は宿泊客向けの浴室だった可能性があります。廃業時点で宿泊客向けの浴場は三の丸(新館)にあり、ここは二の丸(旧館)なので、三の丸が増築されるまでは宿泊客が使っていた可能性がありますね。

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二の丸客殿の端に位置しており、張り紙から宿泊客は利用できなかったものと思われます。

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脱衣場。狭いですがマッサージ椅子もあり、なかなか本格的。従業員向けにここまで必要か?

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浴槽は狭いですが、2,3人は同時に入浴可能。いつからあるかわからない水が残っていて不気味。

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窓は大きいです。草が侵食しなければ明るく快適だったでしょう。

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洗い場も銭湯みたいな造りで複数個所を備えてありました。

次回は従業員寮を紹介します!