山中温泉「和叙園」Vol.2
和叙園には新館三の丸にも宴会場があり、こちらは各階に同じ規模の広間があったと思います(うろ覚え)。ここも便宜的に「中広間」と呼びます。前回紹介した広間を含めると5部屋も存在していたことになり、多くの団体の宴会を同時に開催できていたと思われます。
新館 中広間「富士」
いくら畳敷きだからといっても、廃墟では絶対に素足で歩かないように!
新館 中広間「立山」
こちらは舞台側にガラスの破片が広範囲に散らばっていました。明らかに意図的に撒いたように見えます。侵入者の悪意を感じましたね。
消火器まで撒き散らしてありました。DQNの行動は本当に単純でワンパターン(笑)。
DQNが暴れたり、野良人の棲家になったり、廃墟になってからもけっこう賑やかだった?
新館 中広間「白山」
新館の広間には名前が割り当てられていて、座敷の入り口に大きく書かれていました。「富士(標高3776メートル)」「立山(標高3015メートル)「白山(標高2702メートル)」これは日本三名山ですね。間取りは全く一緒なので、泊り客が間違えないようにするための配慮でしょう。
しかしどの部屋も消火器の薄桃色の粉末で覆われていたのには閉口しました。Web時代にも書きましたが、長く放置された消火器は容器が経年劣化していて危険です。噴射の時の衝撃で爆発して死亡事故になった例は過去にたくさんあります。廃墟に潜入して消火器を発見したら撒いてみたい衝動に駆られるかもしれませんが、非常に危険です。絶対にやめましょう。
次回も続きます。
山中温泉「和叙園」Vol.1
廃屋にっぽん周遊Web版で未完となっていた物件です。今回から未公開分を中心に公開します。
山中温泉でもっとも外れ(福井県側に近い)に位置する温泉旅館で、相次ぐ建て増しで山中温泉で最大級の規模の建物になっていました。同敷地内に従業員専用の住居棟まで持ち、広い宴会場が各館、各階に多数ありました。
淘汰の進んだ加賀温泉ゾーンで最後発の廃業→解体となった温泉旅館で、当初はダイゾウ氏と探索しましたが、この時にはすでに肝試しなど不心得者の侵入が相次いでいたようです。自然崩壊とともに人為的な破壊箇所も増え、結果的に建物全体の解体を早めてしまったものと思われます。
最初の探索は北陸廃物紀行のダイゾウ氏との合同探索です。ダイゾウさんありがとうございました。
北陸廃物紀行ではさらに詳しいレポートを紹介していますので、まずはそちらを見てからここの閲覧をお勧めします。
この後、廃墟伝説の黒魔氏、MUHAのWebサイト(公開終了)のMUHATYU氏、他合同探索希望者との合同探索も実施されました。
翌年、ダイゾウ氏と廃墟標本5.6(公開終了)のokazi氏との合同探索も実施されました。
大きく分けて、2002年秋の探索、2003年秋の探索がありますが、今回は両者の写真を混在して公開します。
解体の様子は、2010年秋に調査したものです。
本館 大広間(九曜の間)
本館 中広間(名称不明)
本館(本丸)にはもう一つ宴会場があり、大広間より若干規模が小さかったので便宜的に「中広間」と呼びます。
中広間といってもなかなかの広さで、向かって左側に大きな窓があり、そこから入る日差しで場内は大広間より明るかったです。しかしなぜかこの窓が派手に破壊されていて畳にガラスの破片が大量に散乱していました。
次回も写真を中心にお送りします!
軽食の自販機が存亡の危機にあるらしい?件について
突然、後輩(助手)のHakutaka君からメッセージが来ました。
助手:先輩、大変です。
ぶれいく:おう、どうした?
助手:ちょっと前にホットスナックの自販機を発見して写真を送りましたよね?
ぶれいく:ああ、あれか。もしかしたら、撤去された?
助手:そうじゃないんですけど、同じ型の自販機がロケットニュースのネタにされていたんです。
ぶれいく:それで?
助手:記者が取材したときに、目の前で故障したんです(苦笑)。
ぶれいく:ええー(笑)それは悲しいなぁ。
助手:しかも後日談があって、自販機メーカーから修理不能を言い渡されて、撤去されることになったそうです。
ぶれいく:ううむ、見た目はけっこう新しめなんだけど、もう造られていないのかなぁ?
助手:今後はうどんの自販機と同じ運命をたどりそうですね。見かけたら買って食べておきたいですね。
ロケットニュースは私も愛読しているサイトで、私は特にGO羽鳥編集長のネット詐欺と対決の記事と、佐藤記者や和才記者の新型iPhone販売に行列したり、Appleの福袋に並んでから購入までの記事が好きです。今回Hakutaka君が見た記事は亀沢記者が取材したものでした。なるほど、ネットカフェにも置いてあったりするんですね。まあこれなら、深夜も提供できるし、人件費ゼロですからね。
すいません。次回は本当に廃墟ネタに戻ります。
北陸のラブホがどんどん姿を消している!?件。Vol.6
ちょっとの小ネタのつもりが、太郎氏とのやり取りで盛り上がってなんと6回目となりました。今回が最終回となりますのであとしばらく我慢してお付き合いください。
ぶれいく:そして今年に入って「ホテル21」が廃業、即解体となってしまいましたが…
太郎氏:ごめんなさい。ここは私も未体験でした。そうですか、廃業したのですか。正直言って、まったく気づいていませんでした(苦笑)。
ぶれいく:あらかじめ質問で体験したことのあるホテルをお聞きしましたが、野々市市、白山市周辺でなぜかここだけ使わなかったのですね。なにか理由があったのですか?
太郎氏:ここですね、情報が少なかったのですよ。特に料金が不透明で…。自前のWebページもあったのですけど、長らく更新されていないみたいで、入ってみないと料金がわからないのではちょっと躊躇しますね。
ぶれいく:私が最期の姿を見に行った時は料金表が出入り口に張ってありましたね。なかなかリーズナブルでしたが?
太郎氏:そうです。前回紹介した福井あわらのホテルよりさらに安い。でもこれは会員価格で、メンバーズカードがないとこの料金にならないってネットのクチコミにありまして、さらにこのカードがもう新規入手できないという情報もあって不安になりました。過去からの常連しかあの価格で利用できないならば無意味ですよね?
ぶれいく:なるほど。料金が不透明だったのですね。ここを除けば、周辺のホテルはほぼ制覇しているんですね。スゴイですね。だとしたら、僕がもう一軒最期を見届けたホテル「サンレモ」も体験済みということで?
太郎氏:そうです。ここも残念ですね。昭和の雰囲気を残した貴重なホテルでした。
ぶれいく:ここのおススメは何でしょうか?
太郎氏:まずは料金です。フリータイムは平均的ですけど、午前中のみの3時間ショートタイムが2500円とおそらく石川県下最安値だったでしょう。宿泊も3500円からと安い。そして客室の内装。津幡や福井あわらのホテルより派手目で、客室ごとに趣向が凝らされていました。非日常感が味わえてよかったですね。
ぶれいく:それでは、太郎氏から提供を受けた写真を公開します!
ぶれいく:へーえ、なかなか味のある客室でしたね。どこか昭和な感じがする…
太郎氏:写真には残せませんでしたが、このホテルの廊下の雰囲気が最高でした。昭和のB級ドラマで登場しそうなレトロな感じ。建物が道路に面している側に廊下があって、両端が広めの客室になっていたんですよ。201号室がそれです。
ぶれいく:なるほど。道路側に窓が並んでいたけど、あれは廊下の窓だったのですね。確かに201号室は他の二つに比べて広々してますね。
太郎氏:客室の窓は反対側でした。でもそちらには運送会社のトラック発着場だったので、見晴らしは最悪でしたね(笑)。
ぶれいく:浴室がガラス張りというのがいかにもラブホらしいですね。飾りガラスが昭和っぽい。でもあまりケバケバしさは感じられないですね。
太郎氏:それが良かったんですよね。居心地が良かった。
ぶれいく:残念でしたねぇ。私はラブホの廃墟ばかり追っかけてきたけど、現役のラブホを見たら、ちょっと見方が変わるかも?
太郎氏:私から見たら、廃墟のホテルを見たいというのも、別の意味で非日常ということですよね…。
ぶれいく:太郎さんは、私の公開した廃墟になったラブホを見て驚かれたそうですが?
太郎氏:最初期に公開された加賀市のラブホ、あれ私もよく知っていて、放置されて荒れかけていたのを見て気にはなっていました。まさか中に潜入する人がいるなんてって(笑)。それからも次々と廃墟になったホテルを見ていくと、やっぱり悲しかったですね。実際に体験したホテル3軒が休業か廃業したので、より実感がわきましたね。
ぶれいく:これからもさらにラブホを巡る趣味を続けるということですね?
太郎氏:そうですね。石川県の加賀地方で行きたいホテルはほぼ行き尽くしたので、すでに範囲を富山県、福井県に広げています。どんどん体験したいですね。
ぶれいく:今回は、私の突然の取材?に協力していただきましてありがとうございました。
北陸のラブホがどんどん姿を消している!?件。Vol.5
今回も太郎氏から聞いたラブホ豆知識を紹介しながら、消えた?北陸のラブホを紹介します。
前回と同様、会話形式で書いていきます。実際は、メールでやり取りしていましたが、太郎氏はなかなか熱く語ってくれました。ありがとうございます。
ぶれいく:福井県のあわら市の8号線沿線にラブホありますよね?そこが閉鎖されていたのですよ。名前はまだ言えませんけど、ここは知っていますか?
太郎氏:あ!ここ、廃業したんですか?ええー、残念ですねぇ。ここは私、結構お気に入りで、ちょっと遠いですが、3回くらい利用しましたよ。写真もありますよ。
ぶれいく:そうだったのですか。それじゃあ、さっそく写真を紹介しますね。
ぶれいく:ラブホって、浴室にテレビがあるのが当たり前なのですか?
太郎氏:当たり前とまではいきませんが、備えているラブホはけっこうありますよ。昔からの設備だったら、ブラウン管のテレビが埋め込まれていることもあります(笑)。
ぶれいく:ここがお気に入りだった理由を教えてくれませんか?
太郎氏:とにかく料金の安さです。休憩も宿泊も格安でした。一人で泊まる場合も付近のビジネスホテルより安かったですし、もしカップルで泊まるなら、相当安く上がりました。ああ、ぶれいくさんが撮った写真に、料金が書かれた看板が写っていますよ。
ぶれいく:本当だ(笑)。なるほど、フリータイム休憩で2980円、宿泊で3980円、安いですねぇ。しかも宿泊は17:00から翌日12:00までとは、ビジネスホテルより長いですね。
太郎氏:ラブホは、宿泊が夜22:00からとか、遅くからしか受け付けない店が多いんです。だから、夕方から受け入れるホテルは貴重でした。私はフリータイムを使ってホテルを使うことが多いですが、ここでは1回泊まったことがあります。
ぶれいく:他にもお気に入りの点はありましたか?
太郎氏:ラブホといえば、きらびやかな内装で、ベッドが回転していて(笑)というイメージが根強いですが、最近はモダンでシックな内装で、シティホテルと変わらない雰囲気のホテルが増えてきました。そんな中、このホテルはあまり垢抜けていなくて、かといってケバケバしさもなく、ゆったりくつろげる感じでしたね。老舗チェーンホテルのせいか、建物や設備の古さは否めませんが、私は好きでしたね。
ぶれいく:今回も興味深いお話、ありがとうございました。
北陸のラブホがどんどん姿を消している!?件。Vol.4
2017年、2019年、2020年と続けて休止、または廃業に追い込まれた北陸のラブホ。1件は自称休業、1件は存亡不明ですが、復活の可能性は非常に低い(ただしここのような例外もありますw)と思います。このままこれらの物件が忘れられるのもつまらないなぁ、現役の姿も知りたいなぁと思っていたら、あることを思い出しました。
それはまだ「廃屋にっぽん周遊」でメールアドレスを公開していた頃に届いたメールでした。読者の一人で、かつて公開したラブホ廃墟を見て驚愕してメールをくれた(笑)方です。なんと同郷の石川県出身で、北陸地方のラブホを泊まり歩いてそのレビューをWebで公開したり(現在は中止)、現在はGoogleマップなどにレビュー文や写真を投稿しているそうです。なるほど、私は廃墟趣味というなかなか周囲には理解してもらえないジャンル(最近ではサブカルの一分野として確立しましたが)ですが、一人でラブホを利用するというのもなかなか思い切った趣味です。違う意味で気が合いそうです(笑)。
このメールをくれた方(ハンドルネームは「机太郎」。以降は「太郎氏」と呼びます)とはここ数年連絡を取っておらず、今でも現役でネットで発信しているのかなぁ、とダメ元で久しぶりにメールを出してみることに。そしたら数日後、お返事をいただきました!しかも写真まで送ってくださいました!お返事の内容を基にQ&A会話形式にまとめましたので、ここでご紹介します。
私(以下、ぶれいく):太郎さんは、どうして一人でラブホに行こうと思われたのですか?
太郎氏:プライベートな時間って、自宅にずっといるのがもったいないなって思ったんです。僕は旅行が好きで、それは非日常を味わえるから。特にその旅行中で宿泊したビジネスホテルのベッドの中でダラダラと寝坊するのが最高にいい気分なんです。これを旅先じゃなくて近所でも味わえないかって。地元のビジネスホテルのデイユースってのもあったけど、まだまだ少ない。それで思いついたのがラブホテルなんです。ラブホは宿泊もあるけど、休憩ってシステムがある。これを使えないかなって。
ぶれいく:なるほど。それで近所のラブホを巡るようになったんですね。もしよかったら、一番最初に行ったラブホを教えていただけますか?
太郎氏:それが、「ヘンゼルとグレーテル津幡店」でした。今回メールを頂いて驚いたんですけど、そう、昨年休業したとぶれいくさんに教えられたあのホテルです。
ぶれいく:そうだったんですか!?それじゃ、あのホテルを実際に使われたということですか…。それで、写真を送ってくれたのですね。貴重な写真、ありがとうございました。
太郎氏:いえいえ(笑)。今回の写真はすでにGoogleマップに投稿しています。近いうちに、僕のブログでもレポート付きで公開の予定です。
ぶれいく:初めて一人でラブホテルに行ってみようと決意したときですけど、なぜ、ここを最初に決めたのですか?
太郎氏:それはぶれいくさんがメールでも言及してましたけど、あそこって丘の上にホテルがあって、建物は林に囲われていて周囲からは見えません。ラブホってけっこう数件集中して建っていて、ラブホ街を形成しているゾーンとかありますけど、そういう所って行くのは恥ずかしいですよね。今こそ平気で行ってますけど、最初のラブホではちょっと無理。でもここならガレージに車を入れて、車から降りて部屋に入るときは他の利用客が偶然やってくる以外は絶対に見られない。これが決め手で行こうと決意しました(笑)。
ぶれいく:うーん、深いですね。でも、突然の休業。びっくりしたでしょう?
太郎氏:そうですね。ここは初めても含めて3,4回は利用しました。「ヘンゼルとグレーテル」は、能登の高松にも姉妹店があるんです。だからそんなホテルが休業するのはちょっと信じられなかったですね。
ぶれいく:今回はありがとうございました。
次回は、同じ時期に休業(廃業?)となった福井県のラブホについて太郎氏に聞いた様子と写真を紹介します。
北陸のラブホがどんどん姿を消している!?件。Vol.3
すいません。もう少しだけこのネタで引っぱります。
3年前にすぐ近所の「サンレモ」も廃業して、今年に入り「ホテル21」も偶然廃業を知りました。これで否応にも昨年知った2件のラブホ廃業を思い出すことになりました。
1件目は富山県の県境に近いラブホ。ここは実際に廃業したかは確定ではないので名前は書きませんが、写真は公開します。
ここを知ったのは偶然富山県へ用があったとき、違和感を感じたのが最初でした。夜に国道8号を富山県へ向かって走っていると、8号バイパスと旧8号が合流する所があります。ここにはあるラブホの派手なネオンサインがあり、夜に走ると必ず視界に入ります。このネオンサインが消えていたのです。まさに「ホテル21」と同じ違和感。廃墟フリークの独特な勘でしょうか?もしかしたらと思って別の日の昼間の合間に立ち寄ってみたら…
料金が書いてある看板も、まだ真新しいように見えますが…。
手前のイラストには「休業中」と書いてあります。
ロープの先に柵があり、けっこうしっかり遮断されていました。本気で侵入を拒む空気が感じられたので、これ以上は進まず撤収。ちなみに、この側道はこのホテル専用で、この先にはホテルしかないそうなので、ここを登る車は例外なくホテル目的と見られますw
休業なのでしょうか?休業の看板を出してそのまま放置された商店をこれまで何度も見ています。ラブホの紹介サイトには掲載が無くなり、なんだかイヤーな予感がします…。
2件目は福井県あわら市のラブホ。ここも国道8号を走っていると派手なネオンサインがあって目立つのですが、福井の友人宅を訪ねるとき通ったら、なんと入り口が柵で封鎖されていました。この日は時間がなかったため後ろ髪引かれる思いで通り過ぎましたが、後日時間を設けて再訪。柵があり敷地に進入できない状態なのに、告知の看板や張り紙も何も無い。ここもラブホの紹介サイトからも掲載が無くなっていて、こちらは廃業した可能性が濃厚です。とはいえ建物は健在と思われるので、ホテルの名前は伏せておきます。
ここも柵の張り方が緩いようで結構隙がなく、入ってほしくないオーラが漂っています。
田舎のラブホでたまに見られる一戸型のホテルですね。もうこの形式のホテルは田舎でも少なくなりましたね。
このホテルには裏道があって、別に秘密ではなく国道側にも案内看板がありました。裏道からもホテルの敷地にアクセスでき、ここからだと国道から見えないので行動しやすいですが、柵が隙間なく設置されていてすり抜けることは不可能。
周囲には雑木林や深い雑草に囲まれていて、まさに難攻不落。機械警備が稼働中の可能性もあるので、ここも無理をせず撤収。
昨年はこの2件が少なくとも営業を休止しており、それに加えて今年は1件が廃業という異常なハイペースでラブホが姿を消そうとしています。廃墟フリークには今後の行方が気になりますね。しかし、これらのホテルの現役時代がわからないままもなんだか物足りない。というわけで、次回はこれらホテルの核心に迫ります!