廃屋にっぽん周遊Blog

公開21年目にして初の廃墟ブログです。

姫川観光ホテル再訪Vol.1

Web版で紹介した物件のその後です。Web版では2004年、Hakutaka君に同行した小旅行で発見し、軽く探索しましたが、この時は準備不足と時間切れで断念。再訪しなければと思いながら4年経過し、2008年11月再訪できた時の記録です。
4年の年月は短いようで長かったようで、自然崩壊がかなり進んでいました。Web版でも書きましたが、壁面や建材、窓ガラスなどが崩落してすぐ前の道路に散乱し、通行時に危険な存在になっていました。2004年に私が訪問、2006年ごろにはすでに崩壊が始まっていたようです(廃墟検索地図より)。
2012年に取り壊され、跡地は足湯施設になったようです。のちに紹介しますが、源泉がホテルのすぐ近くで沸いていて、お堂も建っており、立地的にはちょうどよかったのでしょう。解体が確認されたので、実名で紹介します。
姫川観光ホテルは、姫川温泉にある旅館の一つでした。姫川温泉はちょうど新潟県と長野県の県境に位置しており、立地によって新潟県か長野県か分かれます。通常姫川温泉の旅館群は姫川の東岸に位置しており、東岸が長野県、西岸が新潟県です。温泉街(というほどの規模ではありませんが)東岸に集中しています。姫川観光ホテルはその中でも最大の規模を誇る温泉旅館でしたが、その大きな規模がかえって仇になり、廃業に追い込まれたと思われます。典型的な建て増しを繰り返した旅館で、それが外観ですぐにわかりました。

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廃墟探索旅行のスタート地点、JR大糸線平岩駅。

イカーだと駐車場所に困りそうなことと、高速道路を使っても片道2時間はかかりそうなのでパス。鉄道を使いましたが、糸魚川から当駅までの汽車の運転本数が極端に少ないので1本乗り過ごすと大変なことになるので時間厳守ですw

ちなみに2004年の訪問は、Hakutaka君がここを走るJRのディーゼルカーが日本中でも珍しい旧型車両ということで、それを写真に収める目的でした。間もなく新型車両に置き換わるので、見納めということですね。で、それに同伴したわけです。

しかし姫川温泉の最寄駅なのに、歓迎色がなくて寂しい。今時汽車で温泉に行く行楽客は居ないのか。駅名を姫川温泉にして駅前に足湯でも設置すれば青春18きっぷ野郎が寄ってくれそう。(皮肉にも今回探索する廃旅館の跡地に足湯がオープンしたらしいですね)

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駅構内にあった宿泊先の案内板。

昔は田舎の温泉地の最寄り駅にはこんな案内看板がどこにもありました。宿を決めずにふらっと降り立った行楽客が電話番号を見て駅の公衆電話で予約電話を入れる・・・。

姫川温泉は中央の5軒。これだけでも相当小規模な温泉地と推測できるが、現在営業しているのは3軒。さらにエリアが長野県(駅の北側姫川東岸)と新潟県(駅の南側姫川西岸)に分かれているので、長野県に属する営業中の旅館は2軒のみとなります。

今回の目的地は右から五番目。すでに廃業してかなり経つのに、いまだに掲示されているのはいかがなものか。苦情とかも来ないほど見られていないのかな・・・。

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営業していないお土産店。沿道の寂れっぷりはすごい。

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ここも昔は商店だったのでしょう。

後者の建物は店舗の看板すらありませんでしたが、前者はまあまあ綺麗な看板が掲出してあります。たまたま営業していないという可能性もありますが、2004年の探索の時も営業していませんでしたからおそらく閉業したのでしょう。営業中の2軒の旅館以外に商店は皆無。自販機すらありません。ここへ訪れても旅館内に引きこもるしかないですね。

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源泉がわいている脇に階段があります。

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階段を登るとお堂がありました。

お堂に書いてある通り、Googleマップにも「姫岩薬師堂」とスポット登録されています。

2004年訪問時には源泉が道路側へ滝のように流れ落ちている様子しか見ませんでしたが、今回はしっかりチェック。

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源泉が湧いているところ。パイプで引湯してあり、あふれたお湯が道路側へ流れ落ちています。

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11月に訪問したので、湯気で景色が霞むくらいでした。

お堂の右側は源泉、左側は整地されていない山の斜面でしたが、現在は整地、整備され、源泉のお湯を蓄える湯舟が造られ、それが足湯となっているみたいです。

さて、2008年探索に戻ります。左側は荒れ地ですが、見渡すと2004年の時とは違う光景が広がっています。これは・・・

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お堂がある高台から、左側(北向き)を見渡すと、半壊状態の廃屋があります。

階段を下りて道路沿いに北へ進むと目的の廃旅館ですが、そこまでの間に半壊となった建物があります。この建物の正体は?確か2004年探索の時に、用途不明の廃墟化した建物がありました。潜入できそうでしたが、準備不足と時間切れで断念した物件です。あの時はまだ原形を保っていたのですが・・・

南側半分は完全に倒壊しています。北側の一部はまだ屋根まで含めて残存していますが、よく見ると、部屋の中が丸見えになっています。カメラの望遠ズームを上げて、拡大してみます。

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宴会場の舞台のような空間でしょうか?

白い壁の空間。舞台の緞帳のような布が垂れ下がり、脇には安っぽい掛け時計。鏡割りで使われる酒樽のようなものが奥に見えます。

もしかしたら、今回のターゲット、姫川観光ホテルの付帯設備だったのでしょうか?ホテルの本館部分とは分離されていたような記憶があるのですが、とりあえず階段を下りて直接確認してみます。

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つながっている?

向かって右がさっき見た半壊状態の建物、左がホテルのメイン建物です。

メインといっても、このホテルは建て増しを繰り返したせいで、どの建物が本館かわからない構造となっています。この写真では中央にある板塀にさえぎられて、両方の建物をつなぐ通路の存在が確認できません。これはもう潜入して真相をこの目で確認するしかないですね。

初回は建物の写真が少なくてごめんなさいw次回もまだ潜入前の様子からになります。